モデルSのEVパワートレインや車台をベースに開発されたSUV。 2012年ジュネーヴモーターショーにて発表され、同年予約受付を開始。2015年9月29日から引き渡しが行われた。
フロントとリアの2か所にモーターを搭載しており、それぞれ異なる2種類のバリエーションがある。 フロントモーターはインダクションと永久磁石、リアモーターはレギュラーとハイ パフォーマンスの2種類[1]。 1,000Nmほどのトルクを出力できるため、最大2,250kgまでの強力な牽引能力をもつ。 一度の充電での航続距離は、WLTPモードで507km[2]。 可変リアスポイラーを装備しており空気抵抗係数 (Cd値)が0.25と小さく、スポーツグレードの「パフォーマンス」では2.8秒で100km/hまで加速する性能を持つ。 最高速度は250km/h[2]。 グレードは「パフォーマンス」「ロングレンジ」の2種類。前者は性能に、後者は航続距離に特化している。
SUVとして車高は相応に高いものの、重量物であるバッテリーをフロア下部に搭載しているため重心は低い。 またエンジンやトランスミッションが無いことから駆動系統が占めるスペースが少なく、フロアトンネルがないほか、ボンネット下にはラゲッジルームもある。 車種特有の外観の特徴として、「ファルコンウィングドア」と名付けられたガルウィングドアを装備している。これは2・3列目シートへのアクセス性向上の為に採用された。 ただしモデルXの場合はダブルヒンジによる中折れ機構付であるため、他のガルウイングドアとは違った動きをする。 ドアにはセンサーが装備され、周囲の状況を監視しながら開くため狭い駐車スペースでも開閉することができる。 標準では2列シート5人乗りだが、オプションによる追加で最大3列シート7名が乗車できる[3]。
「オートパイロット」と呼ばれる運転支援システムが全車標準装備となっており、Wi-F経由でのソフトウェアアップデートで機能の追加や改善も可能である。 しかしこれは同一車線内でのハンドル操作、加速、ブレーキを自動的に行う装置で、 既存のシステムは米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) の定義する自動運転レベルではレベル2にとどまっている。